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2024.04.18

デイニュースVOL51 さくらに想う(或いは風土論的日本人観)

 「曇天に  白くかすみて  さくら花」職員A

こんにちは!杜の風上原デイサービス職員Aです。

 サクラ、咲きましたね!去年が早すぎたせいで今年は待ちに待たされた感じで焦らされておりましたが・・・

待ちわびたぶん、チラホラの開花宣言から一気にパッ!と咲き誇りました。まさに錦織なす長堤に♫ でした~

「満開に  咲いた桜も  散るさくら」職員A

しかし花の命は短くて、夜来の雨と風でアスファルトに桜色を散らしています。

“久方の光のどけき春の日に 静心なく花の散るらむ”古今集より

“花の色はうつりにけりないたづらに 

            我が身世にふるながめせし間に“小野小町

いにしへより日本人は、春の訪れを告げ一気に咲き乱れ、すぐに散り落ちる桜に無常観やもののあわれを感じ、死生観や人生観を重ねて来たのではないでしょうか。

形あるものは必ず遷ろい、大いなる摂理の中で育まれ、滅び、転生を繰り返していく。

瑞々しく緑豊かな国土に生まれ、比較的穏やかで繊細な気候に恵まれ、それでも時として地震・台風・噴火などの脅威にさらされて来た日本人の風土的境遇と桜の在りようが、長きにわたり近代までの民族性を形成しているように思えます。

Crash&Buildを繰り返し身につけた忍耐力・協調性、偏狭さを伴った柔軟性と受容力が私達の国民性と言えるのではないでしょうか。

 

おお、何やらサクラが恐ろしきナニモノかのようですが、現代に生きる私達もサクラの呪縛に囚われています。

“さくら ひらひら舞い降りて落ちて 遠き春に夢見しあの日々は

空に消えてゆくよ“ と歌い上げたいきものがかりも、

“さくらさくら ただ舞い落ちる いつか生まれ変わる瞬間を信じ”

と独唱した森山直太朗も、

“桜の花びら散るたびに 届かぬ想いがまた一つ 冬の寒さに打ちひしがれないように 誰かの声でまた起き上がれるように”

とコブクロが。

福山雅治の桜坂も失恋の歌であります。

私達の琴線に触れる名曲は、さくらが想起させる終劇・別離・喪失から再起・変転・再生 と、まさにCrash&Buildなのです。

 

え~長々と青臭く語ってきましたが、ここからはもう和辻哲郎もキダミノルも会田雄次も無し!職員Aの屁理屈もなし!

だってサクラが咲いたんですもん!

“いざや いざや 見にゆかん”です、花見です。

なかなかほころびない蕾にヤキモキし、気温とお天気にそわそわしつつ、杜の風上原デイサービス自慢のテラスでご利用者さまと花を愛でる事ができました。

桜の木を見上げていると、メジロやヒヨドリが密を吸っている姿が見られますが、テラスのサクラはまさに目の前・小鳥目線で楽しむ事ができます。

これぞアリーナ・砂かぶり!

「満開の  さくら散らすか  宵の風」職員A

まだ花散らしの風が止みません。

次に街中がサクラで白く霞むのは1年後ですね。再び春を迎えるまでには大変なことも、苦しい・悲しいことも、様々あるでしょう。

でも大丈夫!サクラが咲けばバイブス爆上がりでオールハッピー!だってそれがサクラの呪縛だもん!